平成28年9月1日
(2016年)
其阿彌秀文
Hidefumi Goami
岡山口の戦い
慶長20年(1615年)5月7日
講談に伝わっている柳生新陰流の話の中で、大天狗正家が出てきます。これは、何か出典があったり新たに作られたものではありません。古典作品は江戸時代から継承されていますが、ほとんどが師匠などからの
解 説
柳生新陰流の柳生宗矩は、大坂夏の陣の時には2代将軍・秀忠の本陣で旗本として警護に就いていました。しかし、真田幸村が家康本陣に突撃したため、秀忠の周りにいた諸将は家康救援に向かったので一時秀忠の周囲が手薄になりました。その時、地雷火が爆発して秀忠の本陣が焼かれ人馬混乱した処へ、豊臣方の木村重成配下の木村主計ほか素肌武者35人がどこからともなく現れ、いきなり秀忠に襲い掛かりました。槍を持って応戦しようとした秀忠の馬前に立った宗矩の右手には、父・石舟斎が天狗を斬ろうとして大石を一刀の下にした大天狗正家が握られていました。宗矩が刀を抜いたかと思うと、そこには7人の豊臣方が倒れていました。